どんぐり理念

2歳は思考の臨界期

人間の性成熟年齢(何才で子孫を残せるようになるのか)は12歳です。驚きに値しますが、1999年8月に英国イングランド北部のローザハムで12歳の少 女が男の赤ちゃんを産んでいます。性成熟年齢にはもう一つ重要な意味があります。子孫を残せるということは進化の証である最も発達した(最終的に獲得し た)適応能力部分にあたる機能の発達が終わる年齢だということです。人間で言うと「人間的な判断力を含む思考する機能・思考力」の発達(組み立て)が終 わってしまう時期だということです。つまり、人間では12歳が機能的な思考力養成の臨界期だと言うことです

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レディネスと臨界期を活用した教育年表へのリンク 

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言葉とイメージを同時に育てましょう(言葉のトリガー理論)

「言葉はイメージを導くための引き金(トリガー)である」というのが「言葉のトリガー理論」です。私達の頭の中にあるのは言葉ではなくイメージだということです。音楽を考えるとハッキリするでしょう。楽譜は音楽の言葉ですから「言葉のトリガー理論」があてはまります。
 譜面が読めるとは音符という記号(文字)を見て音がイメージできるということです。実に明快です。そして、言葉(文字・音声)は音符と同じ働きをしている記号なのです。どちらの記号もイメージを再現するためのきっかけなのです

言葉がわかるとはどういうことか

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全ての学力の素である視考力を育てましょう

イメージ再現・操作をする力のことを私は「視考力」と呼んでいます。

「分かる・理解する」とは、記号(文字・言葉など)を視覚イメージに変換して意識することです。

「考える」とは再現した視覚イメージを操作して新しい視覚イメージを意識することです。

この過程で設問などがあれば、その設問の注文にあった操作結果をしたときに答えが分かったことになります。多くの場合、設問はイメージ操作の方法を指示していますので指示に従ってイメージ操作をすれば自動的に答えは見えるようになっています。

視考力は誰もが持っている力ですので、本人に気付かせるだけで誰もが一気に学力を伸ばすことができます。慣れないうちは「言葉→イメージ再現」が面倒に感じられますが、ここを乗り越えるとイメージ操作は毎日行っていますので、超高速で自動的にできるようになります。 

糸山泰造著 子育てと教育の大原則 137ページ 引用

「分かる」ということ・「考える」ということ・「判断する」ということ「理解力・思考力・判断力について 学力とは何か。 

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考えない習慣をつけない

「考えない頭」は「考えられない頭」に成長する
 習慣には「する習慣」と「しない習慣」があります。その中でも、子ども達に一番付けてはいけない習慣が「考えない習慣」です。「考えない習慣」は「考えない頭」を作り、「考えない頭」は直ぐに「考えられない頭」に成長するからです。考えられない頭は、複雑なこと・抽象的なこと・手間のかかることを面倒で嫌なこと・不要なことと感じて拒否反応を起こします。行動としては落ち着きがない・短絡的・荒い言葉・突発的暴力・じっくり読めない取り組めない・工夫をしようとしない(言われたことしかしない)ど  

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基礎学力の迷信

基本とは何にでも応用が利く根本的な考え方のことです。「読み書き計算」は基本ではなく材料ですので、どんなに高速多量に練習しても(集めても)思考力や応用力を育てることはできません。

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誰でも作文が得意になる方法 

「何を書いたらいいのか分からない」「書くことがない」というのが、作文が苦手な子どもの 口癖です。ならば、書くことを探す工夫をさせればいいんです

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読解力とは (読解力のプラットフォーム)

<国語も算数も使う力は同じ視考力(視覚イメージの再現と操作)です>
思考力の使い方(意識の仕方:注意するポイント)を少し変えるだけで良いんです。
このことを知らずに、国語力と算数力を違う力だと思っていると無駄な時間を浪費します

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二種類ある「忍耐力・集中力・計算力・読解力」

視覚イメージを操作して様々なイメージ変形を続けることのできる力が考える忍耐力です。

同じ事の反復(計算や書き写し)だけを永遠に続けることができる力が考えない忍耐力です。

一つの問題を多方面から様々に分析することができる力が考える集中力です。

計算などの単純作業の繰り返しを一心不乱に続けることができる力が考えない集中力です。

数字の裏にある視覚イメージを意識しながら計算することができる力が考える計算力です。

数字だけを追って、数字の意味を感じないで計算することができる力が考えない計算力です。

ゆっくり、トツトツでもイメージを味わいながら読むことができる力が考える読解力です。

イメージを味わうことなくスラスラと読むことができる力が考えない読解力です。

同じ時間を使って練習しても上達と下達があるのです。実力に見栄えは関係ありません。

糸山泰造著 子育てと教育の大原則 172ページ引用

 

「遊び」という体験学習を楽しみましょう

「自主的な遊び」は最も効果的な学力養成・思考力養成になります。

「自主的な遊び」は、「感情=これでいい」と、「判断=こうしよう」と、「結果=あれ、違うぞ」「思った通り」の繰り返しです。

バイオフィードバックとマッチング(体感と予測イメージのすり合わせ)による高度な進化過程の体現です。 …中略…

人間は人間になるために遊びを十分に経験する必要があるのです。

遊びを犠牲にしてまですべき宿題などありません。

「主体的な遊び」というと難しく聞こえますが、「子供自身が好きな遊び」ということです。「させられている遊び」ではないことが重要なのです。

糸山泰造 子育てと教育の大原則 164ページ 引用

幼児・児童期の学習が「(教えられて・させられて)できてもダメ」で「主体的」でなければいけないのは、主体的でなければ、自分自身で自在に使える多様な思考回路をつくりだすことができないからです。教えられて身につけてしまうと、パターンの一つとしては使えるようになりますが、本人がしたことは「暗記する」というもっとも単純な一つの回路を使っただけだからです。パターン学習では、どんなにたくさんのパターンを修得しても、本当の学力 -自分でつくりだした思考回路- を育てることはできず、与えられた課題をパターンに従って処理する、創造力のない指示待ち人間を育ててしまうのです。

糸山泰造著 絶対学力 59~60ページ引用

早期教育を支える貧弱な理論

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好きなことを大事にしてあげましょう

できる(上手な・得意な)ことと好きなことは違います。本当に好きなことが一つでもあれば人生は楽しくなります。「子供がやりたいと言っているのだからやらせている」といいながら、親がさせたいことをさせている場面をよく見かけます。こんな場合の「やりたい」は、往々にしてカムフラージュであることがあります。「お母さんが嬉しい顔するでしょ?」ということです。

本当にやりたいことは隠れてでもするんです。「子供がやりたいと言っているから」を大人の言い訳に使ってはいけません。

糸山泰造著 182ページ 引用

 

理解と思考の違い

「読める」とは発音できるということ

「分かる」とは発音からイメージしたものを見ることができるということ

「考える」とはイメージしたものを頭の中で移動変形させることができるということ

頭の中でのイメージの移動変形は、人間ができる最速の処理・反応です。

ですから時間的にはゆっくり考えていても、実際に処理されている内容(イメージの移動変形)は複雑で多様です。そして、これらのイメージの移動変形の中から状況にあった(設問にあった)解決方法(答え)を選択するのです。

糸山泰造著 188ページ引用

 

おわりに

私はこの本を「子供達を守るため」に書きました。本来なら企業秘密として極秘扱いのものばかりですが、公開したからには十分に活用していただきたいと思います。

子供を守る具体的な方法は、次の通りです。

  1. 考えない頭を育てる宿題はさせない。
  2. 「どんぐり倶楽部」の「良質の算数文章問題」をする。
  3. 「遊び・友達・視考力」を大事にする。

単純に「たくさんの本を読めば国語の力が育つ」「高速多量の計算問題を解けば算数の力が育つ」と思っていてはお粗末です。大事なのは「言葉→イメージ再現」を正確にできる(理解する)こと、指示に従ってイメージ操作をする(問題を解く)こと、思い通りにイメージ変形をする(創造する)ことです。すべてのキーポイントは視考力の養成です。

特に解き方を守って使う「どんぐり倶楽部」の「良質の算数文章問題」は、これだけでも視考力養成に十分な威力を発揮します。

糸山泰造著 子育てと教育の大原則 引用